口コミ宣伝が10億㌦規模突破


「口頭でのコミュニケーション」の略とも言われる「口コミ」の宣伝効果が今年中に10億㌦(約1100億円)規模を突破する勢いだ。米国の代替媒体調査などにあたるPQメディア社がこのほど発表した調査結果によると、2001年には7,600万㌦(約84億円)だった口コミによるマーケティング効果は、2006年に9億8100万㌦(約1080億円)に急成長。今年中に13億5000万㌦を超えることは確実な情勢。4年後の2011年には37億㌦(約4070億円)に達する見込みだ。

2540億㌦(約27兆9400億円)規模とされる米マーケティング市場全体に占める割合はまだ小さいが、成長速度が速く、同社の調査部担当副社長のレオ・キビジャフ氏は、「口コミはマーケティング業界で“確立された手法”として認知されるまでになった」と述べている。

口コミ宣伝の急成長を支える要因として、インターネットを利用したブログそしてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)人気などがあげられている。生活者がネット上の掲示板などを通じ不特定多数の人に意見を伝えることが可能になったためで、こうしたネット利用の普及が口コミの影響力を一段と高めている模様だ。ただ、PQメディアによると、口コミ宣伝の急成長にインターネットが寄与した部分は10%ほど。新製品をターゲット・グループなどに紹介する、いわゆるフォーカス・グループ法が果たす役割が相変わらず大きいという。

米ニールセン社の調査によると、生活者が新製品やサービスを選択する上で、「友人などの紹介を信頼する」と答えた人が全体の78%と断トツ。2位の新聞広告を15%も引き離していて、口コミの影響力の大きさが現れている。