大統領選報道にティーンが高い関心


米大統領選挙は、8月末から9月初旬にかけ、民主党大会と共和党大会が開催され、大きな関心が寄せられた。両大会の中継番組は米テレビ界を代表する高視聴率番組「アカデミー賞授賞式」(2月24日)を上回る視聴者数を獲得し(先週、先々週号既報)、活気づいているが、普段は政治報道に無関心とされる十代の若者(ティーンエージャー)からも高い関心が寄せられたことがこのほど明らかになった。

米視聴率測定会社ニールセンによれば、ティーンエージャー層(12~17歳)の視聴率は、4日間にわたった民主党大会の平均視聴率が3.0%。共和党大会、3日間の平均視聴率は2.6%だった。(共和党大会第1日目は、ハリケーンの影響で大幅に縮小された)。また、民主党候補に指名されたバラク・オバマ上院議員の受託演説(大会最終日)の視聴率は4.5%。共和党のジョン・マケイン候補の受託演説は3.4%と、いずれも高い視聴率を獲得した。

ニールセンでは前回2004年の党大会における同層の視聴率は測定しておらず、今回の視聴率との比較は出来ないが、ヒューストン・コロニクル紙の政治記者ジュリー・メイソン氏は、「今年の選挙に対する若者の関心が従来に比べ極めて高いことは間違いない」と強調している。若者向けの地上波ネットワークCWが放送している人気番組「ゴシップ・ガール」は初回に記録的な視聴率を得たが、それでも2.3%(同層)と、党大会の数字には遠く及ばなかったほど。

メイソン氏は、「2004年は共和党候補がジョージ・ブッシュ氏、民主党候補がジョン・ケリー氏と、二人とも白人熟年層、若者たちの心を掴むことはなかったが、今年は、初の黒人大統領候補となったオバマ氏、最後まで接戦を演じたヒラリー・クリントン候補、そして初の女性副大統領候補に指名されたサラ・ペイリン氏と多彩で、すっかり若者の関心を奪ってしまったようだ」と分析している。