就任式、動画視聴数も過去最高


米国の第44代大統領となったバラク・オバマ大統領の就任式の模様を伝えたインターネットの動画中継配信が記録的な視聴者数を獲得した。中でも、若者に人気のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」と提携したCNNの動画サイトは午後3時半までの9時間の間に、2130万件の配信件数を記録し、昨年11月の大統領選挙投票日の530万件を大幅に上回る新記録を樹立した。

他サイトも、MSNBCが午後1時の時点で、1400万件と同社の新記録。動画配信では立ち遅れているニュース専門局ナンバーワンのFoxニュース・チャンネルのホームページ、FoxNews.comも自社最高記録となる500万件の動画配信を達成した。インターネット上のトラフィック量の調査にあたる非営利団体「パケット・クリアリング・ハウス」によれば、この日の動画配信総数は、これまで測定された中で過去最高のものになった。

米調査会社「ペイリ・イクイティ・リサーチ」のメディア・アナリスト、リッチ・グリーンフィルド氏は業界誌「アドバタイジング・エイジ」に、今回の記録的な動画配信人気について、「生中継番組が、従来の受身的なものから、ソーシャル・ネットワーキング、つまり双方向が経験できるプラットフォームに移行しつつあることを示している。また、インターネットが(放送と同様に)不特定多数の視聴者に同時に番組を配信できるプラットフォームであることも証明された」と述べている。

ところで、インターネットへのアクセス数はオバマ大統領の就任演説時(米東部時間正午過ぎ)にピークに達したが、回線容量を上回りパンク状態になる事態も発生した。肝心の演説が視聴不可能に陥る事態が続出した模様で、テレビがない職場などでインターネットを頼りに、演説を待ち望んでいた人たちからは落胆の声が続出したという。