急増するワイヤレス利用者

米有力調査会社ピュー・インターネット&アメリカン・ライフ・プロジェクトによると、全米のインターネット・ユーザーのうち34%の人がワイヤレスを利用していることが判明した。また、ワイヤレス利用者全体の24%が家庭や職場以外のプロバイダーに接続していることも分かった。喫茶店など街頭の無線接続を利用している人たちだが、こうした利用者は過去2年間で36%も増加しているという。

さらに、74%のワイヤレス利用者が電子メールなどを目的に「一日に一回は必ずインターネットを利用する」と答えており、一般のネット利用者(同54%)や家庭でブロードバンド加入しているネット利用者(63%)を上回っていることも判明した。また、ワイヤレス利用者の多くが若者世代、しかも高等教育を受けた消費者で占められており、ピュー社では「ネット関連企業や広告主らが注目すべき層だ」と指摘している。ちなみに、18~29才層のヤング・アダルトのインターネット利用者全体に占める割合は19%に留まっているが、ワイヤレス利用者の間では30%を占めている。

ところで、ワイヤレス利用者のほぼ半数に迫る46%が、「ニュースはインターネットでゲットする」と答えており、家庭におけるブロードバンド利用者(同38%)を上回っていることも明らかになった。報道機関にとって気になる調査結果だが、今回の調査をまとめたピュー社のジョン・ホリガン氏は、「メディア企業の間で、ワイヤレス配信向けのニュース制作が活発になるのではないか。既存の報道番組に背を向ける若者世代を勝ち取る重要な手段になるかもしれない」と述べている。

なお、今回調査の対象になったワイヤレス利用者にはWi-Fiを利用するパソコン利用者と携帯電話のユーザーが含まれる。