新型テレビ、差別化にコンテンツ提供


米ラスベガスでこのほど開催された世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で目玉商品となったのが日本メーカーなどが中心となって発表した超薄型・大型テレビ。シャープが厚さ2センチの液晶テレビを出展すれば、パナソニックが世界最大となる150インチ型プラズマテレビを発表するなど話題を集めた。

そして、各社が凌ぎを削る新型テレビの中で、インターネットに直結できるモデルが数多く出展され注目を集めている。 シャープの米国法人の上級副社長、ボブ・スキャグリオン氏はニューヨーク・タイムズ紙に、「美しい画像を提供するといった点では、どのメーカーを比べても優劣付けがたいのが現状。そこで差別化が大きな課題として浮上してきている」と述べている。そして、スキャグリオン氏は、差別化を消費者にアピールする手段としてコンテンツ付きの受像機を販売することが有効だと考えている。

実際に、大手テレビメーカーは今回こぞって新型テレビにインターネット接続機能を内蔵させ、ニュースや天気、さらにはスポーツ情報をテレビ画面に直接表示出来るモデルを発表した。コンテンツ・プロバイダーとの提携も進んでおり、韓国のサムスンでは、米全国紙「USAトゥデー」と提携、同社が提供する天気予報や株式状況がパソコン無しで、直接テレビ上に引き出すことが出来るという。シャープも、天気や株式情報のほか漫画などを、パナソニックでは人気動画投稿サイト、ユーチューブ(YouTube)からの画像取り込みなどを検討している。

ニューヨークタイムズ紙は、パナソニック関係者の発言「コンテンツなしに大型テレビを作り続けることは難しい」を引用し、テレビメーカーは画像の品質や大きさだけでは勝負できない時代に突入していると分析している。