新聞社の動画広告売り上げが好調


インターネット上の広告と言えば、バナー広告が定番だが、動画広告(ネット上のCM)を導入する米企業が急増している。動画が閲覧しやすい環境に必要なブロードバンド(高速大容量)通信が急速に普及していることが要因となっている。その動画広告の売り上げで、新聞社のサイトがCMの本家テレビ局のサイトを上回るという興味深い報告が出た。

米調査・コンサルティング会社「ボレル・アソシエーツ」がこのほどニューヨークで開催されたテレビ広告局(TBA)の年次総会で発表した調査結果によると、新聞社が06年に自社ホームページに掲載した動画広告売り上げは、全体の50%に相当する8,100万㌦(約97億2,000万円)を記録。テレビの3,200万㌦(約38億4,000万円)を大きく上回った。ちなみに、テレビ局の動画広告が全体に占める割合は20%。残りの30%は新聞・テレビ以外の企業によるものだった。

新聞社の売り上げ好調の背景には動画広告に対する新聞社の格別な熱意があるようだ。ボレル社によると、新聞社の多くが動画広告営業に12人以上の専任社員を配属しているのに対し、テレビ局では2,3人いればいいほう。本体(放送)の営業部員が兼務する例が圧倒的に多いという。

NBCネットワークのニューヨーク直営局「WNBC-TV」は二人のエクゼクティブクラスの担当者をおいているが、同局のフランク・カマフォード社長は、「ウェブCM担当にさらに多くのスタッフを配属することが早急な課題だ」と述べている。他社の間にも同様な動きが広まっており、テレビ局のネット上のCM販売が新聞社に触発され大きく変わっていくことになりそうだ。ボレル社では今年のテレビ局の動画CM売り上げが、全体の24%に成長すると予測している。