来年のスーパーボウルCM販売が好調

 来年2月6日、テキサス州で開催予定の米プロフットボールリーグ(NFL)王者決定戦「スーパーボウル」のCM販売が好調に推移していることが明らかになった。来年の中継はFoxネットワークが担当するが、米メディアの報道によれば、まだ開催まで5ヶ月もある9月中旬時点で、すでに全CM枠の9割以上が売れているという。昨年の今頃は7割に留まっていたことを考えればかなり早いペースで進んでいることが分かる。また、ロイター通信は関係筋の話として、30秒CMの料金が300万㌦(約2億5500万円)で売買されていると報じていて、広告不況もあって240~280万㌦で取引されたとされる今年のスーパーボウルのCM料金を大きく上回る見込みだ。


来年のスーパーボウルには一時は経営破たんに追い込まれた自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)に加え、もう一方の常連ペプシもスポンサーとしてカムバックすることが決まった。特にペプシはダイエット・ペプシの新作で販売促進が迫られている「ペプシ・マックス」の宣伝のために、30秒CMを3枠購入することを決定。米飲料水業界誌「ビベレージ・ダイジェスト」の編集者ジョン・サイカー氏は、「スーパー・ボウルCMはペプシ・マックス販売の強力な助っ人になるだろう。と同時に、NFLとネットワークテレビにとっても、これまで常連だった大スポンサー、ペプシが(ネットワークテレビに)戻ってきた意義は大きい」と強調している。今年、スーパーボウルへのCM出稿を見合わせたことについて、ペプシは「(高額な)スーパーボウルよりも、インターネット広告にCMを振り返る決定をした」と説明していた。なお、ペプシの親会社「ペプシコ」では、傘下のスナック菓子メーカー、フリトスのチップス「ドリトス」向けのCMも3枠購入することにしており、スーパーボウルの大スポンサーとしての存在感を再び示すことになりそうだ。


米テレビ業界では、相変わらずの経済不安にもかかわらず、広告主はスーパーボウルへのCM出稿は熱心に取り組んでいて、スーパーボウルが格別のテレビ・イベントであることが改めて浮き彫りになった形だ。ちなみに、今年2月、マイアミで開催された第44回スーパーボウルは、平均視聴者数1億650万人に到達、米テレビ史上最高記録を樹立した。今年はCBSネットワークが独占放送した。