米FCCがプロダクト・プレースメント監視強化


番組内に自然な形で商品を登場させる広告方法「プロダクト・プレースメント」の採用が米テレビで増加傾向を示しているが、米連邦通信委員会(FCC)が監視の目を光らせることになりそうだ。プロダクト・プレースメントは、HDD内蔵型のレコーダー、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)の普及でCM飛ばし視聴が増大していることへの対応策として採用する番組が急増している。米テレビ界を代表するヒット番組となっている「アメリカン・アイドル」では大スポンサーのひとつコカ・コーラのコップが審査員の机の上に並べられ常に視聴者の目に留まるようになっているほか、審査員が商品名を連呼する場面も少なくない。

FCCの現行ルールでは、プロダクト・プレースメントそのものを規制してはいないが、番組終わりに字幕スーパーやアナウンスメントなどで視聴者に使われた商品名を掲示することになっている。問題は、これらの表示が不十分な点にあるようだ。FCC委員のジョナサン・アデルスタイン氏は、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルに対し、「番組終わりの字幕スーパーは虫眼鏡を使わなければならないほど小さく、肉眼で確認できるものはほとんどなくルール違反の可能性がある」と指摘している。FCCは視聴者に対する「お断り」のより明確な表示を求めていく構えで、登場した商品をどのスポンサーが提供しているかなど、アナウンスで伝える方法などが検討されているようだ。

米調査会社PQメディアによると、2007年に登場したプロダクト・プレースメント広告費は、前年比33.7%増となる29億㌦(約3,045億円)。ニールセン社によれば今年1-3月期に米テレビ番組中に登場したプロダクト・プレースメントの数は、昨年同時期比約40%もの増加を示している。