深夜トーク番組をプライムタイムへ


米NBCネットワークはこのほど、人気コメディアン、ジェイ・レノー氏(写真)が1993年以来ホストを勤めている深夜トーク番組「ザ・トゥナイト・ショー」を、ウィークデー(月~金)毎日午後10時からのプライムタイム枠に編成すると発表した。米新聞・テレビが一斉に取り上げ大きな関心を集めている。専門家からは、「トーク番組をプライムタイムに編成するとは、自暴自棄的行為だ」などと否定的な意見から、「米テレビ編成に新風を吹き込む革命的な試みだ」などと賞賛するものなど、賛否両論が飛び交っている。

制作費が安価なトーク番組をプライムタイム(午後8時~11時)に編成することは、予算の大幅削減につながるが、米ウォールストリート・ジャーナル紙は、「プライムタイムで放送されている1時間番組の制作費が1本約500万㌦。一週間で2,500万㌦(約23億円)の節約になる」と指摘している。新番組の制作費は週200万㌦(約1.8億円)以下ですむという。また、帯番組を放送することで、一日2時間に減ることになる残りのプライムタイム枠に全力を注げる態勢が整う、と指摘する声も上がっている。かつて「プライムタイムの王者」の名をほしいままにしていたNBCだが、ここ数年は不振続き。同社の救世主になるのではとの期待もかかっている。一方、「午後10時台は、平均視聴者数1,500万人を引き付ける犯罪捜査ドラマ「CSI:科学捜査班(邦題)」(CBS)など重厚なドラマ番組がそろっており、「とても勝負にならない」などと懸念する声も上がっている。

ちなみに、「トゥナイト」の平均視聴者数は現在480万人ほど。新番組「ジェイ・レノー・ショー」(仮題)は、来秋スタートの予定。レノー氏に支払われる推定年俸は3,000万㌦(約28億円)。3大ネットワーク(ABC、CBS、NBC)は、「トゥナイト」同様、コメディアンがその日の出来事をコミカルに解説したり、話題の人物とのインタビューを織り込むトーク・ショーをそろって編成しているが、深夜11時半からの放送が定番。