無難なスタート切った米新シーズン


米ネットワークテレビの新シーズンは9月24日(Foxネットワークのみ1週間先行)から始まったが、プライムタイム(午後8~11時)に編成された一連の新番組に大ブレイクの兆しは見当たらないものの、失敗しそうな番組もなく、無難なスタートとなった。各ネットワークともおおむね良好で、「視聴率トップの番組がはげしく入れ替わる可能性もありそうだ」(経済誌「フォーブス」)。

新シーズン第1週全体を見ると、視聴率トップ10の中で5番組がランクされたABCが一馬身リードした感じ。今シーズンで8シリーズ目となる犯罪捜査番組「CSI:科学捜査班(邦題)」が相変わらず好調なCBSも安定感を示している。そして、ここ数年不振続きのNBCは、超能力を持った主人公を扱った複数の「スーパーナチュラル」番組が健闘しそうで、久方ぶりに光明が差してきたといったところ。一方、たった2回放送されただけで打ち切りとなった新リアリティー番組「ナッシュビル」(カントリーミュージック・コンテスト)をスタートさせたFoxネットワークが4大ネットワーク中唯一不調なスタートとなった。

週間視聴率王番組となったのが、平均視聴者数2,522万人を獲得したCBSの「CSI」。トップ10は「CSI」をはじめ、ABCの人気ダンス競技番組「Dancing with the Stars(スターとダンス)」などベテラン番組が独占した。新番組中トップだったのは平均視聴者数1,360万人を獲得したスーパーナチュラル番組「バイオニック・ウーマン」(NBC)だった。

ところで、今シーズン、新番組の成否とともに注目されているのが視聴率測定方法。HDD内蔵型のレコーダー(DVR:デジタル・ビデオ・レコーダー)で放送後3日間以内に番組を見た視聴者も鑑みられることになり、業界内に若干の混乱をきたしている。ニールセンによるDVR視聴率の集計と分析に時間がかかるからで、新シーズン初頭の結果は10月15日に発表される予定だが、その時点で順位が入れ替わる可能性もある。