独立系動画配信サイトが開設1年で急成長


米メディア企業大手NBCユニバーサルとニューズ・コーポレーションが共同出資して開設した動画配信サイト「Hulu(フールー)」はこのほど、商業実験サイトのスタート以来1年が経過したが、事業は「大成功」との折り紙がついた。ちなみに、本格サービスが始まったのは今年3月。米調査会社ニールセン・オンラインによれば、今年9月の同サイトの月間ユニーク・ビューアー数は630万件。ビデオ・ストリーム数は1億4,200万件にも上った。

米国では「オンライン・ビデオ」と呼ばれるようになったインターネット上の動画配信だが、同サイトは、使い勝手がいいことと、画質・音質とも他サイトに比べ優れているとの評判が手伝って人気急上昇中。人気度もユーチューブ、ヤフー、Foxなどのサイトに次ぎ6位にランクされるまでになった。今夏以来、NBCネットワークの政治風刺コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」が大統領選を扱い空前の人気を博しているが、同番組の検索が容易なことも人気の要因となっている。

同サイトで視聴できる番組には、番組の前後と途中に数本のテレビ型CMが挿入されているが、本数が少ないこととそれぞれが15秒などと短いこともあって、76%の利用者が「CMが適度な量だ」(米インサイト・エクスプレス社調べ)と答えているという。広告主の間からも厚い視線が注がれており、米広告会社「オギルビー・グループ」傘下のデジタル部門担当者は、ニューヨーク・タイムズ紙に、「このようなサイトの出現を10年間待ち望んできた」と語っている。

同サイトはまだ黒字経営には至っていない模様だが、1年前は10社だったスポンサー数が、現在ではゼネラル・モーターズ(GM)やオールド・スパイス社など大手を含む100社以上の広告主がつくまでになっている。現在、テレビ番組1,000本と400タイトルの映画が無料で見られる。