第1Q米広告費が前年比0.3%減少


米調査会社TNSメディア・インテリジェンスによると、今年1-3月期の米広告費支出は、前年同時期比0.3%減となる349億㌦(約4兆1,900億円)となった。TNSの社長、スティーブ・フレデレリックス氏は、「1月の不調が響き同期内に回復しきれなかった。前年同時期は冬季五輪などがあり単純に比較は出来ないが、それにしても今期は不振に終わったといえるだろう」と総括している。

媒体別で見ると、ネットワークテレビが前年同時期比7.2%減となる61億㌦(約7,320億円)と大幅減少、全国紙は前年同時期比5.3%減の8億1,000万㌦(約972億円)となった。いわゆる既存メディアの代表格が軒並み前年を下回ったのが特徴だ。

 
媒体別広告費支出 (07年1-3月期)
媒体
広告費 前年比
テレビ 156億㌦ -2.7%
雑誌 67億㌦ +4.4%
新聞 63億㌦ -4.7%
インターネット 27億㌦ +16.7%
ラジオ 23億㌦ -2.1%
屋外広告 9億㌦ +2.4%
その他 4億㌦ 0%
合計 349億㌦ -0.3%

ただ、テレビ業界全体を見ると、ケーブル局が前年比6.3%増の38億㌦(約4,560億円)、スペイン語テレビ局が3.7%増の9億9,000万㌦(約1,190億円)と健闘しており、業界全体では2.7%減の前年比2.7%減の156億㌦(1兆8,700億円)に踏みとどまった。

そんな中、極めて好調なのがインターネット広告。前年同時期比16.7%増の27億㌦(約3,240億円)となった。 広告主の出資額で見ると、米大手一般消費財メーカー「プロタクター&ギャンブル(P&G)」が前年同時期費8.6%減少ながらも7億2,300万㌦(約868億円)とトップの座を維持。前年2位だったゼネラルモーターズ(GM)が前年比31%減も落ち込み5億1,200万㌦(約615億円)で3位に転落。かわりに、通信大手AT&Tが前年比19.2%減ながらも2位に食い込んだ