米09年広告費12.3%減少も4Qは回復基調に


米国の著名なメディア調査会社「キャンター・メディア」(旧TNS メディア・インテリジェンス)は3月17日、2009年における米国の総広告費(推定値)と媒体別、業種別広告費の内訳を発表した。総広告費は予想通り景 気低迷が響き、1253億㌦(約11兆2770億円)と前年比12.3%も減少する結果となった。しかし、第1四半期の広告費が前年同期比14.2%減、 第2四半期が同13.9%減、第3四半期が同15.3%減少したのに比べ、第4四半期の広告費は6%減に留まったことから、2010年の広告支出が改善に 向かう兆候(ハリウッド・レポーター誌)などと、明るい見通しが出始めている。


媒体別で見ると、新聞広告費とラジオ広告費がいずれも前年比20%減、雑誌が同17%減、屋外広告が同17%減と、既存メディアがいずれも悲惨な結果だっ た。テレビ広告費は、同約10%減と、既存メディアの中では最も小さい減少率だった。特に、第4四半期におけるネットワーク・テレビ広告費は、前年同期比 2.4%減、ケーブル局広告費は同4%減と大幅に改善していることが特筆される。


一方、全20媒体中、前年比増となったのは、インターネット広告(約7%増)と折り込み広告(約3%増)の2媒体のみだった。


業種別広告費をみると、自動車業界が前年比23%減少となるものの、支出額は約110億㌦(約9900億円)と、首位の座を守った。これに通信業界が同2%増となる86億㌦(約7740億円)、金融業界は同18%減となる78億㌦(約7020億円)などと続いた。


広告主別で見ると、前年比16%減少だったものの広告費27億㌦(約2430億円)を支出した一般消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブルが、広 告主ナンバーワンの座を守った。2位にはベライゾン・コミュニケーションズが前年比7%の減少となる22億㌦(約1980億円)の広告費を支出し2位にラ ンクされたほか、GMやAT&Tなどが続いた。

ちなみに、2月下旬に発表された電通の「2009年日本の広告費」によれば、日本の総広告費は5兆9222億円だった。