米ABCが朝番組拡大版をデジタル配信


米ネットワークのドル箱番組の一つに挙げられるのが朝の情報番組。NBCネットワークの「Today(トゥデー)」(放送期間55年間)をはじめ、長寿番組揃いだが、今月から始まる新シーズンを契機に各番組が時間枠を拡大するなどテコ入れをはかっている。そんな中、ABCネットワークが、毎朝7~9時(米東部時間)に放送している「グッドモーニング・アメリカ」(GMA)の拡大編をブロードバンド(高速大容量)通信中心に、9時から10時までの1時間番組として配信することになり話題を呼んでいる。番組名は「グッドモーニング・アメリカ・ナウ」(GMA Now)と決まった。同番組では、ニュースや天気予報が随時更新され伝えられるほか、GMAで放送できなかったインタビューや特別企画なども紹介される。独自企画コーナーもあり、「たんなるGMAの焼き直しにはならない」(ABC)という。

同番組は全米のデジタル・ケーブル網に配信されるが、当面、視聴可能世帯数は約100万軒に留まる模様。ただ、ブロードバンド経由が2,800万軒、携帯電話経由では500万のユーザーが視聴可能になるという。ネット上ではVOD(ビデオ・オン・ディマンド)形式でも提供され、視聴者が好きなときに視聴することも出来るようになる。番組のターゲット視聴者は様々な人種の独身視聴者。「これからの時代を担う配信方法でこれからの時代を担う視聴者向けの番組。広告主からも熱い視線を集めることは間違いない」(番組関係者)という。

10億㌦(約1,200億円)規模の売上を誇るといわれるネットワークの朝の帯番組は、NBCの「トゥデー」(午前7~10時)が平均視聴者数550万人を誇る人気ナンバーワン番組。新シーズンからは放送枠を4時間に拡大する。GMAも地上波での放送枠拡大を狙ったが9時台に強力なシンジケート番組が控えており実現できなかったとする見方もある。ちなみに、GMAの平均視聴者数は480万人。3大ネットワーク中、万年最下位となっているCBSネットワークの「ザ・アーリー・ショー(The Early Show)」の平均視聴者数は270万人に留まっている。