米ABCニュースが大型リストラ策を発表


米ABCネットワークの報道部門、「ABCニュース」が大規模なリストラ策に踏み切 ることになった。ABCニュースのディビッド・ウェスティン社長が2月23日、社内向けのメモの中で明らかにしたもので、今年末までに、希望退職などを募 りながら、現在の1500人体制の約25%にも匹敵する300~400人規模の人員削減を決行するという。異例の規模に米メディアが一斉に報道した。 


同社長はメモの中で、「この先、長期にわたり、ABCニュースの健全なジャーナリズムと経済的に安定した基盤を築き視聴者に奉仕するために、(経営環境 の)変化に対応するのではなく、先手を打つ時が来た」とアピールした。ウェスティング社長はニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューの中で、「今回のリ ストラ策は放送事業界が直面する厳しい経済的圧力に対処するための事前策である」と述べている。


ウォールストリート・ジャーナル紙が同ネットワーク関係者の話として伝えたところによると、海外支局数の削減に着手するなど徹底的な合理化策となる模様。 ウェスティン社長は具体策について①取材に当たっては、すでに世界でその有効性が示されている「デジタル・ジャーナリスト」(写真)の配置拡大②「ナイト ライン」(深夜の報道番組)で採用されている、カメラマンが編集もする制度を今後より積極的に取り入れていく③「グッドモーニング・アメリカ」(朝の情 報・報道番組)と「ワールド・ニュース」(夕方のネットワークニュース)の週日版と週末版の制作チームを統合する、などとしながら、スタッフの仕事内容な どがオーバーラップしているものは徹底的に削減していく方針を明らかにした。


米国ではインターネットの普及で既存メディアの報道部門が視聴者離れなどによる苦戦を強いられていて、CBSニュースも2月初旬に全体の7%に相当する 100人規模の人員削減策を発表したばかり。同社の看板報道番組「60ミニッツ」も対象になるという。??