米AT&Tがスマートフォン向けオンデマンド

 米通信大手AT&TのIP(インターネット・プロトコール)テレビ・サービス「ユーバース(U-verse)」が、アイフォン(iPhone)などを使って、外出先でも番組視聴が楽しめるオンデマンド・サービスを開始した。サービスには追加料金などは発生しないが、利用はユーバース加入者のみに限定される間接的な有料サービスだ。このようなサービスは“TV Everywhere”などと呼ばれている。急速な普及を見せているオンライン・ビデオ視聴に対抗するかたちで、ケーブルテレビ(CATV)事業者などが積極的に取り入れるようになっている。ネットワークテレビ番組のほとんどがインターネット配信されている米国で、CATVなどが提供する番組送信サービスからの離反者が増える傾向に少しでも楔を打ち込みたい、との考えが背景にある。


同サービス利用希望者は、ユーバースから発行されたID番号などを使い、アップル社のアイパッド・タッチ、アイフォン、アイパッドに専用アプリケーションをダウンロード。無線LANを通してABCネットワークやディスカバリー・チャンネルなどの番組を携帯端末に取り入れ、“好きな番組を好きな場所で好きな時間に”(TV Everywhere)視聴できる。


当面は、ABCネットワークの人気番組「グレイズ・アナトミー:恋の解剖学(邦題)」や「デスパレートな妻たち(邦題)」、子供向け専門局ABCファミリーやディズニー・チャンネル、スポーツ専門局ESPN、ドキュメンタリー専門局ディスカバリー・チャンネルは公共放送PBSなどの番組から選ばれた52本がダウンロードできる予定。


また、同サービスを利用すれば、アイフォンなどを使ってユーバースの番組案内を閲覧したり、自宅のDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)を遠隔操作することも可能。外出先からの留守録などが出来るようになるという。ユーバースによれば、こうした操作は、8月12日発売されたばかりのリサーチ・イン・モーション(RIM)製のブラックベリー・トーチでも可能。ちなみに、ブラックベリー・トーチは、RIM社初のタッチスクリーン型スマートフォン(多機能携帯端末)。スライド式キーボードを搭載しているが特徴。