米CATVがレイカーズ放送権を取得


米ケーブルテレビ(CATV)事業者大手「タイムワーナー・ケーブル(TWC)」 はこのほど、米プロバスケットボール協会(NBA)に所属する人気チーム「ロサンゼルス・レイカーズ」と契約を結び、2012~13年シーズンからスポー ツ専門局を2つ(英語とスペイン語チャンネル)立ち上げることを発表した。 スペイン語チャンネルはレポーターやキャスターなど専任スタッフが担当すると いう。チャンネル名は決まっていない。


09~10年シーズン終了時点でNBA最多勝記録を保持するほか、NBAファイナルの常勝チームでもあるレカーズの試合はこれまで、ニューズ・コーポレー ション傘下の地域向けスポーツ専門局「Fox Sports West」とCBSネットワーク系列局のKCALテレビが放送していた。しかし、来シーズンからはすべての試合がTWC局に移行することになる。特にシー ズン中、41試合を放送してきたKCALテレビ(地上波局)が放映権を失うことで、群を抜いた人気バスケチームを無料で視聴してきたファンにとって大きな 痛手となりそうだ。


新契約は20年間。TWC側は否定しているが、業界筋では契約総額が30億㌦に達するという観測も出ている。TWCはスポーツ専門局を保有しない数少ない 大手CATVの一つ。以前からスポーツ局の保有を熱心に模索してきた。レイカーズの放映権取得をきっかけに2つのスポーツ専門局を立ち上げることで大きな 経営戦略の転換を図ることになる。TWCの専務で編成担当最高責任者のメリンダ・ウィットマー氏はロサンゼルス・タイムズ紙に、「今後も様々なスポーツを 検討していく」と述べており、次はロサンゼルスに本拠を置く大リーグチーム「ロサンゼルス・ドジャース」に目をつけているという憶測も飛び交っている。


一方、TWCが支払うことになる大型契約料がCATV加入料に大きく跳ね返り消費者が犠牲をはらうことになるとの指摘も出ている。人気スポーツ局の別途加 入料は平均2.5㌦(月額)ほどだが、TWCの新チャンネルは3.5㌦以上に設定されるだろうとの見方も出ている。