米CATV大手がPCからTVリレー・サービス展開へ


 ニューヨーク近郊のケーブルテレビ(CATV)大手、ケーブルビジョンはこのほ ど、パソコン上のコンテンツが手軽にテレビ受像機で視聴できるサービス「PC to TV Media Relay」(以下、リレー・サービス)の商業実験を今年6月に立ち上げると発表した。リレー・サービスを利用すれば、ユーザーは、パソコン上にインター ネットから取り込んだテレビ番組などの動画やデジタル・カメラからダウンロードした家族の写真やホーム・ビデオなどを、瞬時にテレビ画面に流すことができ る。


ユーザーは同社から提供されるソフトウェアをパソコン上にインストールすれば、パソコン上のすべての画像をケーブルビジョン本部経由で、個々に割り与えら れたチャンネルに再現できるという。家庭内ワイヤレス接続を利用すれば、すべての作業が、室内のどこからでも簡単に操作できる。ケーブルビジョンの最高執 行責任者(COO)トム・ラトレッジ氏は、「同サービスを使えば、家族が額を寄り合わせて小さなパソコン画面を覗く必要がなくなる。パソコンのマウスをク リックするだけで(パソコン上の)すべての画像がテレビ上の自分のチャンネルで視聴できるようになる」と説明している。リレー・サービスの利用は、ケーブ ルビジョンが提供する再送信サービス及びブロードバンド(高速大容量)通信の加入者に限られる。


米国ではインターネット上でネットワークテレビのプライムタイム番組などが無料で視聴できるため、高額な加入料のCATVサービスから離反する動きが出て きている。そのためCATV各社の間ではインターネットでは視聴できない番組などを、加入者に限定してオンライン配信するサービスなどを展開(CATV最 大手コムキャスト)するなど、消費者のケーブル離れへの対応を始めている。リレー・サービスもその一種。ケーブルビジョンのサービスエリアは、ニューヨー ク近郊の高額世帯が中心。加入世帯数は300万軒と全米第5位のCATV事業者。