米CBS、放送外収入30億㌦獲得に自信


「米国で最も見られているネットワーク」を自称するCBSネットワークテレビなどを傘下に置く米メディア企業大手CBSコーポレーションの放送外事業売上が好調だ。海外市場における番組販売や、国内ケーブルテレビ(CATV)などから得る再送信料などが寄与し、放送外収入は年間30億㌦に達する見込みだという。

 

CBSコーポレーションの最高経営責任者レスリー・ムンベス氏がこのほどニューヨークで開かれたメディア・アナリストらとの会合で明らかにしたもので、CATV事業者や衛星放送事業者、さらに系列局から得る番組配信料の合計売上が年間10億㌦、米ビデオレンタル大手ネットフレックスなどへの往年のヒット番組販売から10億㌦、海外番組販売から10億㌦、計30億㌦の放送外収入が現実味を帯びてきたとの考えを示した。ムンベスCEOは、「CBSはこれからも力強く成長して行く。CBSの将来に強い自信がみなぎっている」と語った。ちなみに、金融情報サービス大手、ブルンバーグによれば、2010年におけるCBSの総売上高は141億㌦。

 

ムンベス氏は、同社の広告収入についても明るい見通しを示している。米テレビ界は、9月から始まる新シーズンのプライムタイムで放送される番組編成の紹介とCMの予約販売が行われる重要イベント「アップフロント」を5月に控えているが、CBSではCM単価が昨シーズン比二桁台の伸びを示すものと見込んでいる。ムンベス氏は、「もし、広告主が料金アップに応じないようであれば、アップフロントでのCM前売りは控え、スキャター・マーケットで取引することになるだろう」と述べ、同ネットワーク番組に対するCM需要に自信の程を見せた。スキャーター・マーケットとは、アップフロントに対し、番組CMをシーズン開始直前やシーズン中に販売する取引で、CBSは昨シーズンのスキャターで取引されたCM価格が、同アップフロントのものを40%も上回った実績がある。ムンベス氏は、「プライムタイムの番組はどれも引っ張りだこ。もう一つネットワークを保有したいくらいだ」と鼻息が荒い。