米CBSがIT情報大手を買収


CBSネットワークやラジオ局などを傘下に置く米メディア大手CBSコーポレーションは5月15日、ハイテク情報サービス大手のCNETネットワークスを約18億㌦(約1890億円)で買収すると発表した。CBSの最高経営責任者、レスリー・ムンベス氏は発表に際し、「CNETネットワークスは、採算が取れ、成長が望め、且つ組織がしっかりと運営されているインターネット企業。こんな好機はまたとない」と買収の動機を説明している。

ムンベス氏は一年半前に、「YouTubeに16億㌦もの投資をする気はさらさらない」(ニューヨークタイムズ紙)などと発言し、インターネットへの事業拡大には消極的と見られていたが、今回の買収を機にネット事業の強化という大きな路線変更に踏み切ったことになる。ムンベス氏によれば、CNET買収により、CBSグループのコンテンツを地球規模の視聴者やユーザーに提供できるようになるばかりか、拡大するネット広告への積極的な関与や、プロモーション活動にも大きな活路を開くことになる。

これまでCBSに対しては、「大手メディア企業の中でネット事業参入に一番遅れをとっている」という評判が付きまとっていたが、「CNETの買収によって同社が抱える膨大なネット広告主を手中に入れることが可能になる」(米証券会社大手メリルリンチ)などと指摘する声も出ている。

CNETはIT関連の情報を、インターネットを通じて提供する企業。日本でも1997年にNTT PCコミュニケーションズがライセンス供与を受け日本語版ウェブサイトが創設されたが、2002年にシーネット・ネットワークス・ジャパンとして独立した。