米CBS社長、CNNとの合併話しを否定

米CBSネットワークなどを傘下に置くCBSコーポレーションの社長兼最高経営責任者(CEO)のレスリー・ムンベス氏はこのほど、CNNとの合併について言及し、その可能性を否定した。CNNの親会社タイム・ワーナーの会長兼CEOジェフ・ビューケス氏がフロリダで開かれたメディア会合で前日行った発言内容に応えたもの。


業界誌ブロードキャスティング&ケーブルなどの報道によれば、ビューケス氏は、CNNとCBSの報道部門「CBSニュース」との合併の可能性を聞かれ、「3大ネットワーク報道部門の多くが様々な問題を抱えている。30分間の夕方ネットワーク・ニュースを放送するために、極めて高額な制作費がかかっている。合理化を考えるべきかもしれない」「我々(CNN)はいつでも手助けする用意がある」と答え、合併や業務提携に前向きな考えを示した。

これに対し、ムンベス氏は、「CNNとはこれまで5回にわたり、合併や提携の可能性について話し合ってきたが、内容はCBSにとって手に負えないものだったという印象だ。もはや(合併などは)あり得ないと思っている」と述べ、新たな交渉に悲観的な考えを述べた。CBSニュースとCNNの交渉は2007年を最後に途絶えたままだが、CNNの看板キャスター、アンダーソン・クーパー氏やクリスチャン・アマンポール氏がCBSの報道番組「60ミニッツ」などと限定出演するなど、ゆるやかな交流が続いている。

ところでビューケス氏は、タイム・ワーナーによるネットワーク買収の可能性については、「除外しない」としながらも、「買収価格が格別に廉価で、利益還元が見込めなければならない。経営困難に陥っている社が多いのが現状ではないか」と述べ、現時点では視野に入れていないことを示唆した。