米CNNが海外取材体制補強へ

米CNNテレビは14日、海外取材体制の強化策を発表した。海外特派員数を10%増員するほか、アラブ首長国連邦内の支局やロンドン市局などの拡充に当たる。同社広報部によると同計画にかかる費用は開局27年以来最大級。CNNは具体的な額を明らかにしていないが、業界内では、総額1000万㌦(約11億円)規模に上ると見ている。

アラブ首長国連邦の支局は中東地域の拠点的役割を担うことになるほか、ロンドン支局と香港支局には新たにデジタル・プロダクション部門が新設される。同部門開設にはオンライン・サービスの海外版を充実させる狙いがある模様。

また、アフガニスタン、ベルギー、インド、ケニア、マレーシア、ナイジェリア、フィリピン、ポーランドそしてベトナムに取材スタッフを配置するほか、香港支局についてはデジタル部門以外にも人員を増強し、アジア太平洋地域の拠点にする。また、長期間にわたり特派員不在のままだった東京支局に同社ロサンゼルス支局に勤務していたキョン・ラー氏を配属、同支局を活性化させたいとしている。ソウル生まれのラー氏は、重大ニュース発生時には韓国もカバーするなど、新たな任務も課せられる。

CNNインターナショナル担当のトニー・マドックス専務はこの日発表されたニュース・リリースの中で、「海外スタッフや施設に対する数百万㌦にも及ぶ投資によって、世界のトップレベルにあるCNNジャーナリズムにさらに磨きがかかることになる。そのうえ、新しいビジネス・モデルへの対応に即応することが出来る体制が整う」と述べている。

CNNでは今年8月末日をもってロイター通信社との配信契約を打ち切ったが、その後は独自の海外取材網の強化に努めたいとしていた。新海外取材体制は来年早々のスタートを目指している。