米DVR普及率が50%台に到達


米国におけるHDD内蔵型デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の普及率が2016年までに50%の大台に達する見込みだ。広告代理店大手インターパブリック傘下の調査機関「マグナ・グローバル」によれば、201079月期の段階で米テレビ世帯の32%、3790万世帯だったDVR保有世帯は、2016年中に全体の5割に相当する6180万世帯に達するという。DVRを利用した番組視聴も活発になっており、米調査会社ニールセンは、200910年シーズンにけるDVR番組視聴率を加えれば、全体の視聴率が平均2.29%底上げされると見ている。

 

マグナ・グローブの調査では、見逃し視聴や追っかけ再生などに利用されるDVR視聴の半分近く(49%)が放送同日に行われることも判明。同視聴が最も活発に行われる時間帯は、プライムタイム内の午後9時から10時であることも分かった。

 

また、8時台の番組が収録された場合は、同日中に視聴される傾向が高い一方で、9時から10時台の番組は、収録後3日以内に視聴される傾向が高いことが分かった。さらに、若者層に集中していると考えられていたDVR利用者の38%が45歳以上であることも浮き彫りになった。

 

ところで、同調査では、ケーブルテレビ(CATV)や衛星放送事業者、さらにはインターネット上で入手できるようになったオンデマンド・サービス(VOD)の利用世帯数が急増する見通しも明らかになった。同サービス利用世帯数は、201079月期、全体の44%、5110万軒だったものが、2016年には57%、7010万軒に急増するという。

 

こうしたDVR視聴とVOD視聴の増加は、米消費者の間で、「見たい番組を見たい時間に視聴する」いわゆるタイムシフト視聴習慣が着実に定着し始めていることを反映している。DVR視聴については、CM飛ばし視聴が容易なことから、広告主などの間で従来型のCM挿入の効果に疑念がもたれているが、広告主が重視する視聴者層(1849歳)によるプライムタイム番組中のCM視聴率は、DVR視聴を加味すれば、44%上昇することも明らかになった。