米FCCがデジタル移行対応策発表


米国では地上波テレビ放送の完全デジタル移行が6月12日に設定されている。その期限まで1ヶ月となった13日、米連邦通信委員会(FCC)がデジタル放送に未対応の世帯を念頭に作業プランを発表した。FCC委員長代行を務めるマイケル・コップス氏は声明の中で、「多くの市民にとってテレビは、ニュースや天気、さらには市民の安全のための主な情報取得源となっている。すべての国民が6月12日以降もテレビが見られる態勢をつくるため、(向こう1月間)不眠不休の努力をしなければならない」と強調した。


FCCによれば未対応世帯を、低所得世帯、少数民族グループ、英語を話さない世帯、高齢者世帯、身体障害者世帯、農村地域の6つのグループに分け、対処していくことにしている。具体的には、デジタル・チューナー(受信機)とアナログ・テレビの接続方法などが実習できる「ウォークイン・センター」を全国400箇所に開設するほか、移動式の「ヘルプ・クリニック」を12000箇所用意するなどとしている。このほか、コールセンターを4000人態勢に増員したり、チューナーの接続方法やアンテナの設置方法が分からない世帯に技術者を送る無料出張サービスも展開する予定だ。出張サービスは全米約22万軒の設置援助が可能だという。

ニールセン社が13日発表した調査結果では、全米テレビ世帯の2.9%にあたる330万軒が、デジタル放送未対応世帯にみなされた。これらの世帯は屋内外アンテナをアナログ受像機に接続しテレビ番組を視聴している直接受信世帯。ケーブルテレビや衛星放送に加入し、テレビ視聴している世帯は、完全デジタル移行後もなんらの影響も受けない。