DVR利用が急増中


米国ではDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)などと呼ばれているHDD内蔵型レコーダーの利用時間が急増しており、視聴率測定調査にも少なからぬ影響を与え始めている。米調査会社「マグナ・グローブUSA」がこのほど発表した調査結果によると、DVR保有世帯は全体の25%ほどと、まだまだ本格的な普及には至っていない。しかし、DVR保有者の利用度が極めて高いことが分かった。

マグナ社で視聴習慣などの分析を担当するスティーブ・スタンバーグ専務は、「DVR保有者は同機器をフル稼働させているのが特徴だ。そのため、ビデオ・カセット・レコーダー(VCR)の普及率が90%を超えた時にテレビ視聴率に与えたインパクトの2倍強に匹敵する影響力を発揮している」と分析している。スタンバーグ氏によれば、DVR視聴が5大ネットワークテレビ(ABC、CBS、NBC、Fox、CW)の視聴率に占める割合が9%にも上ることが分かった。しかも広告主が重要視する視聴者層(18~49歳)ではその割合が15%になるという。ネットワークや広告主が視聴率測定の精査を検討することになりそうだ。

マグナ社では2012年までにDVR普及率は37%に達すると見込んでいるが、その時点で18~49歳代視聴者の25%が、地上波ネットワークテレビのプライムタイム番組をDVR視聴するようになると見ている。DVRは「見たい時に見たい番組を」視聴するタイムシフト視聴を促す機器として放送事業者や広告主が普及の行方を注視している。

同調査では、DVR利用率は男女間で格差がないことも確認された。また、DVRを利用したタイムシフト視聴は特定の番組ジャンルに集中している模様で、NBCの「ヒーローズ」やABCの「ロスト」など、アクション系ドラマ、サイエンスフィクション系ドラマなどが筆頭に挙がっている。