米FTC、子供向け食品CMを規制か?

米連邦取引委員会(FTC)は、子供たちの目に触れる広告の22%が食品関連であることに注目、近く、子供向けの食品販売活動に規制を加えるべきかどうかなどについて公聴会を開く予定だ。そのFTCが、今年4月、ブダペストで発表された欧州肥満学会議の調査結果に注目している。

同調査は、5~11歳の152人の子供を対象に、特にテレビ視聴が与える子供の食習慣について重点的に調べた。調査ではまずこの子供たちに、食品のCMのみが挿入された子供向けアニメ番組や家族向け番組を視聴してもらった。

番組視聴後、テーブルにブドウやチーズ味のクラッカー、チョコレート菓子など低脂肪と高脂肪のスナックを置き、好きなものを好きなだけ食べてもらった。そして2週間には同じ設定で今度はおもちゃのCMのみが挿入された番組を視聴してもらった。

その結果、食品CMが挿入された番組を見た5~7歳グループの子供たちが食べたスナックの合計カロリー数はおもちゃのCMを見た時と比べ、摂取したカロリーが14~17%多かったという。9~11歳グループの場合は、違いがより大きく、食品CMを見た後に摂取したカロリー数は84~134%多かった。

さらに、肥満気味の子供は、食品CMを見た後は他の子供に比べ、食べる量が多いばかりか、甘いものや高脂肪を含むスナックをより好む傾向が鮮明だという。同調査を担当した英国リバプール大学の研究員エマ・ボーイランド氏は、「肥満児のほうが、テレビで流される食品CMに影響されやすいことが明らかになった」と分析している。

米食品メーカーでは、すでに子供向け番組で流すCMの内容に自主規制を始めているが、FTCが新しい方針を出すか否か、大きな関心をもって注目している。