米GMがタイガーとのスポンサー契約解消


米自動車メーカー最大手、ゼネラル・モーターズ(GM)はこのほど、2009年までの予定だったゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズとのスポンサー契約を年内で解消することになったと発表した。業界誌アドバタイジング・エイジなどによると、GMとタイガーの現行契約は5年契約、総額4,000万㌦(約38億円)だった。

GMの北米市場販売担当副社長のマーク・ラネブ氏は声明文の中で、「タイガーはGMにとって長年の友であったとともに、貴重な財産でもあった。タイガーのおかげで、米消費者にGM製品を周知させることができた。経営危機に瀕している米自動車メーカーが政府に救済策を求めているが、それとタイガーとの契約解消は関係がない」と述べている。同誌によると、タイガー側が、「家族と過ごす時間を大切にしたい」という理由で、GMとのパートナーシップを解消したいと希望していたとう。

しかし、南カリフォルニア大学ロサンゼルス校でスポーツ・マーケティング学を教えるデイビッド・カーター教授は、「タイガーの私生活の部分もあるかもしれないが、不振にあえぐGMが経済的な理由から至った決断であったことは否定できない事実だ」と分析している。同教授はまた、「経営苦はわかるが、貴重なもの(タイガーのマーケット力)を失うことになる。取り返しがつかない決断になりはしないか」と懸念している。

タイガーはGMをはじめ、スポーツ用品メーカー「ナイキ」や、金融会社「アメリカン・エクスプレス」などと推奨広告(エンドースメント・アドバタイジング)の契約を結んでいるが、年間契約料は総額1億㌦(約95億円)にのぼると見られている。