米HD視聴者、番組内容に不満

米ニールセンはこのほど、HD(高精細度)テレビに対する米生活者の満足度を集計し発表した。調査は全米511軒のHDテレビ所有世帯を対象に行われたが、85%がHD画像に満足していると応えた。ただ、番組内容に満足していると応えたのは39%に留まった。これについて、同調査の責任者でニールセン社の上級副社長、スティーブ・マクグァン氏は、「HD番組宣伝が極めて少ないため、視聴者が番組の選択肢に限界があると考えているたでではないか」と分析している。マクグァン氏はまた、CATV(ケーブルテレビ)や衛星放送事業者によるHD専門局の再送信がまだ十分に普及していないことを指摘している。

同調査ではまた、HD番組のカテゴリー別人気度を調べたが、スポーツ番組を挙げた人が一番多く42.8%。これに、映画番組38%、ドラマ番組28.1%、コメディー番組19.4%、リアリティー番組11.1%、音楽番組9.6%などと続いた。

また、優れたHD専門局については、スポーツファンが「ESPN HD」を筆頭に挙げたほか、映画ファンは「HBO HD」をナンバーワンに挙げている。ドラマ・コメディー番組では「CBS HD」(地上波ネットワークCBSのHDTVチャンネル)が最も好評。ドキュメンタリー番組では「ディスカバリー HD シアター」が人気ナンバーワンに挙げられている。なお、同チャンネルは、「最もきれいなHD画質を放送する局」にもランクされた。

ところで、米国では衛星放送最大手「ディレクTV」が、HD番組再送信は、技術的に衛星放送がCATVを勝っているとした広告をめぐって、CATV最大手「コムキャスト」がディレクTVを相手取り訴訟を起こすなど、ちょっとしたHD騒動が起きている。今回のニールセン調査では60%がCATV加入者、31%が衛星放送、直接受信世帯は6%だった。