NBCの冬季五輪放送、高視聴率で終了


第21回冬季五輪バンクーバー大会は28日、17日間の熱戦を終え 幕を閉じた。米国では競技の模様をNBCユニバーサル(NBCU)傘下のNBCネットワークをはじめ、MSNBCやUSAネットワークなどのケーブル局が 駆使され合計800時間以上にわたり独占放送された。米国以外で開催された冬季五輪の開会式では歴代トップとなる平均視聴者数3260万人と好調な滑り出 しを示した今大会は、その後も高視聴率を維持。ニールセン社の視聴率速報によれば、閉会式の視聴者数は2140万人と、前回のトリノ大会(イタリア)を 45%も上回るものとなった。


また、期間中の一日平気の視聴者数は、トリノ大会の2080万人を軽く上回る2440万人を獲得したほか、NBCUによれば、競技の模様を少なくとも6分 間見た視聴者は全国民の半数以上にあたる1億9000万人に上ったといいう。94年ノルウェーで開催されたリリハンメル大会(2億400万人)、に次ぐ歴 代2位の記録となった。


NBCネットワークはここ数年、プライムタイム視聴率で4大ネットワーク中最下位の座に甘んじているが、今シーズンは五輪のおかげで3位に浮上する可能性も出てきた。


ところで、高視聴率だったものの今回のNBCUの五輪編成に首をかしげる向きも少なくない。前回はリアルタイムで提供したインターネット配信が、今回は放 送時まで解禁されなかったことへの苦情が多かったこと。アルペンスキーのリンゼイ・ボン選手が試合出場如何にかかわらず毎日のように取り上げられ辟易した とする声が多く、番組報道が一部の選手に偏りすぎていたとする批判も聞かれる。

 
一方、NBCは閉会式中継番組を米東部時間午後10時半から1時間にわたり中断、次週から始まる新番組のプレミア版などを放送する異例の編成に打って出 た。視聴者からは「式典を中断して番組宣伝をするなんて腹が立った」などと苦情が多数寄せられた模様。米メディアも、「まったく間違った判断だっ た」(AP通信)などと、一応に首をかしげている。