米NBCユニバーサルがUpfront大型契約


米大手メディア企業「NBCユニバーサル」と広告代理店大手「グループM」が、5月中旬から続いているUpfront(アップフロント)交渉で大型契約を結んだことがこのほど明らかになった。ニューヨークタイムズ紙などの報道によると、契約総額は8~9億㌦(約960~1,080億円)に上った模様。Upfrontでは9月から始まる米テレビ新シーズン向けのCM予約販売が行われているが、今回はNBCユニバーサル傘下のNBCネットワークやケーブル局「USAネットワーク」、さらにはインターネットなどを含む包括契約になった。また、通常のUpfrontでの交渉ではプライムタイム(20:00-23:00)で放送される番組が対象となるが、今回は朝・昼帯の番組や報道番組も含まれるユニークなものとなった。

Upfrontは5月14日から始まり1ヶ月が経過したが、NBCユニバーサルが本格契約締結の初名乗りを上げたことで、業界内には驚きの声が上がっている。ここ数年視聴率不振にあえぐNBCネットワークを抱える同社は、厳しい交渉を強いられ、交渉がまとまるのはネットワーク中最後になるとの見方が支配的だった。

また、同社とグループMとの契約では、ニールセン社が今回のUpfrontに先駆け発表した新視聴率が採用される画期的なものになった。新視聴率とは、HDD内蔵型のレコーダー、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)を利用した録画視聴と、CM視聴率を測定したもの。DVR視聴率については、番組放送後3日間の視聴率が甘味される「ライブ・プラス3」が初めて採用された。

グループMは広告大手WWPグループの傘下。IBM、ノキア、スプリント・ネクステル、ユニリバーなどの広告代理店グループ。