米TVアカデミー、エミー賞候補作を発表


米国テレビ芸術科学アカデミーは16日、米テレビ界の優秀な番組や出演者などに与えられるプライムタイム・エミー賞の候補作を発表した。最高の栄誉とされる作品賞ドラマ部門には、映画専門局AMC(American Movie Classics)の「Mad Men(マッド・メン)」やニューズ・コーポレーション傘下のドラマ専門局「FX」の「Damages(ダメージ)」などがエントリーされた。これまで有料ケーブル局(ペイ・チャンネル)であるHBOの「ソプラノス:哀愁のマフィア(邦題)」などがエミー賞を獲得しているが、ベーシック・チャンネルの番組がドラマ部門(シリーズ)にノミネートされたのは初めて。「地上波ネットワークに匹敵するハイクオリティーな番組を制作出来ることを証明した」などと、話題をさらっている。「マッド・メン」は、1960年代の広告代理店業界を舞台にしたドラマ。ドラマ部門他16部門にノミネートされ、同部門で最多ノミネート数を獲得した。「ダメージ」は、様々な富豪を訴訟に持ち込む弁護士をめぐるスリラー。ちなみに、ベーシック・チャンネルとは、ケーブルテレビ(CATV)や衛星放送に加入の際に通常料金に含まれているチャンネルのこと。

また、HBOで放送されたドキュ・ドラマ「ジョン・アダムス」も作品賞ミニ・シリーズ部門や主演男優賞など23部門にノミネートされ、地上波ネットワークを尻目にケーブル局の勢いを見せつけた形だ。一方、ネットワーク番組のほうは、ドラマ部門で、ABCの「Lost(ロスト)」や「Boston Legal(ボストン・リーガル)」、Foxの医療ドラマ「House(ハウス)」など”エミー賞候補常連組み“が選ばれた。また、作品賞コメディー部門にはNBCの「30 Rock」が17部門でエントリーされ、昨年のコメディー部門エミー受賞番組の貫禄を見せ付けた。

なお、今年からゲーム番組など、いわゆるリアリティー番組の司会者も受賞の対象に選ばれることになった。今年で60周年と節目を迎えるプライムタイム・エミー賞の授賞式は9月21日に行われ、授賞式の模様はABCが全国向けに中継する。