米TVシーズン、視聴率不振で終了


米テレビシーズンは5月20日をもって終了した。地上波ネットワークテレビ各社の視聴率は、ほぼ全社が昨シーズン比減少となる見通しだ。ニールセン・メディア・リサーチ社の速報によると、プライムタイム番組の視聴率が昨シーズン比増加するのはCBSのみ。同社の平均世帯視聴者数は昨年度比12%増となる1170万人。広告主が重視する若者視聴者層(18~49歳)の平均視聴率は昨年度比7%増で、3.2%(シェア8%)だった。いまや米テレビ界を代表する長寿番組にもなっている報道番組「60ミニッツ」の人気が復活していることと、同ネットワークの新番組「ザ・メンタリスト」(犯罪捜査ドラマ)が今シーズン最大のヒット作になったことなどが貢献した。


他ネットワークをみると、Foxの視聴率減退が顕著で、世帯視聴者数は昨シーズン比14%減、970万人。18~49歳層の視聴率も14%減少となる3.6%(シェア10%)だった。相変わらず絶好調の番組「アメリカン・アイドル」が健闘したにもかかわらず、「フリンジ」をはじめとする今シーズンの新番組がそろって不調に終わったことが大きな要因になった模様。


一方、ABCネットワークは、世帯視聴者数が昨年度比3%減となる890万人とNBCの790万人(4%減)を大きく引き離し3位に食い込んだ。ただ、18~49歳層視聴率では、ABCが2.9%(シェア8%)と、NBCの2.8%(シェア8%)に紙一重の差をつけたに留まった。

ABC、NBCともにベテラン番組の視聴率が堅調に推移したものの、新番組のヒット作にめぐまれなかったのが痛手だ。業界誌メディアウィークは、特にABCについて、「大きな期待がかかっていたドラマ『ライフ・オン・マーズ』が、シーズン途中で打ち切らざるを得なかったなど大誤算だった」と指摘している。 ニールセンの速報によれば、年間視聴率ランキングは、世帯視聴者数はCBSに栄冠が(Foxが2位)、個人視聴率(18~49歳層)王はFox(CBSが2位)が昨年に続き獲得した。