米TV世帯でDVR視聴が急増中


 米国でHDD内臓型録画機、デジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の利用が急増中だ。米調査会社ニールセンがこのほど発表した調査結果によると、米テレビ世帯におけるDVR利用は2007年から09年にかけ、90%も増えていることが分かった。また、同利用者の42%が番組録画後1時間以内に視聴しているほか、61%が放送日同日中に視聴していることも判明した。


同調査では、DVR利用が若者層及び高額所得者層で頻繁に行われているほか、プライムタイム(午後8~11時)における利用が増えており、好みの番組の追っかけ視聴が多いことも浮き彫りになった。DVRにはCM飛ばし視聴が容易に出来る機能が内臓されていることから、広告主などが危機感を抱いているが、今回の調査ではDVR視聴者の4~5割がCMを視聴していることが明らかになった。これまでは、3~4割と考えられており、CM飛ばし視聴が心配されたほど多くないことも分かった。


ところで、今回の調査では、プライムタイムで放送されている人気番組にDVR視聴が集中していることも明らかになった。昨シーズン人気抜群だったCBSネットワークのコメディー番組「Two and a Half Men(チャーリーシーンのハーパー★ボーイズ:邦題)」を見てみると、07-08年シーズンでは平均86万9000人だったDVR視聴者数が、09-10年シーズンには204万人と急増、過去3シーズンで同番組のDVR視聴者数が230%も増加したことを示している。ちなみに09-10年シーズンにおける同番組のDVR視聴者数は、全体の視聴者数の19.7%にも上った模様だ。


また、米テレビ界で視聴率ナンバーワン番組となっているFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」も、09-10年シーズンにおけるDVRを利用した視聴者が放送時視聴者数の2割に相当する560万人を記録。NBCネットワークの看板コメディー番組「ザ・オフィス」も、07-08年シーズンのDVR視聴者数の割合が全体の22.6%、185万人だったものが、09-10年シーズンには36.1%、320万人にまで膨れ上がっている。なお、DVR視聴されにくい番組には、スポーツ中継番組、視聴者傘下型のリアリティー番組などが挙がっている。