米TV新シーズン、スポーツ番組が牽引車


 9月中旬から始まった米テレビ界の新シーズンでスポーツ番組の人気が際立っている。テレビを「社会全般に到達できる揺ぎ無い媒体」として再認識させる原動力になっているほか、CM収入も好調で、業界からは、「スポーツ番組が、昨シーズンに続きテレビに富をもたらす重要コンテンツになっている」(メディアウィーク誌)などと賞賛の声が上がっている。


特に期首は、NFL(米プロフットボール・リーグ)主催のフットボール試合人気が沸騰している。シーズン第1週(9月20日~26日)の視聴率番付を見ると、NBCネットワークが日曜夜に放送する中継番組「サンデーナイト・フットボール」が1位。2位にはスポーツ専門局ESPNが月曜夜に放送する同じくNFL中継番組「マンデーナイト・フットボール」がランクされた。第4週まで順位はまったく同じ。NFLシーズン開催中は不動の人気ぶりとなりそうだ。


NBCでは、人気が振るわないドラマやコメディー番組を尻目に、サンデーナイト・フットボールがプライムタイムの救世主になっている状況だ。サンデー・ナイト・フットボールのシーズン開始後5週間の平均視聴者数は2180万人と、1996年以来の記録となっている。ケーブル局ESPNも例えば10月4日のマンデーナイト・フットボールの平均視聴者数は1730万人を記録。広告主が重要視する18~49歳層の視聴率も5.6%を獲得、ネットワークテレビの月曜日プライムタイム編成に少なからぬ影響を与えている。


フットボールに続き、NBA(米プロバスケットボール協会)主催の2010-11年シーズンも始まり、スーパースターのトレードなどがシーズン前から話題を呼んでいることから人気が集まるのは間違いない情勢だ。NBA試合の一部を放送するケーブル局TNTを傘下に置くターナー・スポーツの営業担当者は、「20年仕事をしているが、こんなに早い時期にCMが飛ぶように売れるのは初めてのことだ」とうれしい悲鳴を上げている。