米TV新シーズン、ネットワークが好調スタート


米テレビ界の新シーズンが9月中旬から順次始まったが、地上波5ネットワーク(ABC、CBC、Fox、NBC、CW)がそろって好調なスタートを切った。ここ数年、シェア低下傾向に歯止めがかからない地上波ネットワークにとって、久方ぶりの朗報だ。


9月21日に新シリーズが始まったFoxの医療ドラマ「ドクター・ハウス(邦題)」の初回の視聴率が昨年度比14%増となる記録を打ち立てれば、今年度第3シリーズとなるCBSのコメディー番組「The Big Bang Theory」の初回も、過去最高視聴率となる4.6%(18~49歳層)を獲得した。また、今シーズン、最も注目を集めているNBCの新編成の目玉、「ザ・ジェイ・レノー・ショー」も好調なスタートを切った(先週号既報)ほか、同局のNFL(ナショナル・プロ・フットボース)番組、「Sunday Night Football」が2週目を終え、平均視聴者数2480万人を獲得。同局プライムタイムでは12年ぶりの記録となっている。


また、若者向けミニ・ネットワークCWもドラキュラを扱った人気ドラマ「The Vampire Diaries」が同社開設以来の高視聴率。さらにABCがスタートさせる新番組「Modern Family」が、昨今まれにみる良質なコメディー・ドラマとして、また、サイファイ・ドラマ「Flashfoward」に、放送前から異例ともいえる高い評価が集まる、といった具合だ。


そのABC、こうした新番組で、より多くの視聴者を引き付ける手段として、「通常は番組開始早々に挿入するCMを、少なくとも15分間は放送しない」とする新戦略を発表、広告主を驚かせている。


ところで、CATV最大手コムキャストが最近明らかにした調査結果では、81%の人が「ネットワークの新シーズン番組を見るつもり」と答えているほか、60%が、「新シーズンは大切なもの」と答えている。