米TV新シーズン、視聴率はいまいちのスタート


 米テレビ界の新シーズン(2010-11年シーズン)が9月20日始まった。今年は前評判が高い新番組が多く、例年に比べより活気に溢れたスタートになった。生き残りをかけた4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)は、ここ数年で最多となる合計17本の新番組をデビューさせる意気込みを見せた。米報道ぶりも、「暗雲が立ち込める将来だが、ネットワークテレビは番組に大型予算を投入した賭けにでた」(ウォールストリート・ジャーナル紙)、「過去に例がないほどのつばぜり合い。全ネットワークがそれぞれ誇れる新番組を披露できる新シーズンのスタートとなった」(ニューヨーク・タイムズ紙)などと、いずれも好意的だった。


視聴者からも高い関心が寄せられた模様で、第1夜となった20日の各ネットワークの世帯視聴率は、NBCが46%増、ABC38%増、CBS7%増などとほぼ全社が前年比アップを記録した。新番組のほうも、事前に話題が集まっていた、CBSのアクション・ドラマ「ハワイ・オーファイブ」(1968~80年にCBSが放送した往年のヒット作のリメーク版)が視聴率8.0%(シェア12%)と大健闘したほか、ここ数年プライム編成が不振のNBCも、米犯罪史上最悪の偽装工作を描くサスペンス・ドラマ「ザ・イベント」が同5.4%(シェア8%)と無難なデビューを果たした。


しかし、1週間が終わってみれば、4大ネットの合計視聴者数は、昨シーズン比4.7%減と振るわず、最高視聴率をとった番組は、いまやABCのベテラン番組になっている「ダンシング・ウィズ・スターズ」(世帯視聴率15.1%/シェア22%)だった。「あまりに多くの新番組を集中してデビューさせてしまった。視聴者に(どの番組を見ていいのか)迷いを与えてしまった」(バラエティー誌)などと編成上の誤りを指摘する声があがっている。しかし、広告主の番組評価は上々で、成否はシーズン全体を見て評価すべだという意見も聞かれる。