米TV新シーズン、超能力番組が目白押し


今年の米テレビ新シーズン編成にちょっとした新風が巻き起こっている。昨シーズンまでは犯罪捜査をテーマにしたドラマやコメディー番組、さらにはリアリティー番組が編成の要だったが、今シーズンの番組表には超能力を備えたヒーローを主人公にした番組が圧倒的な存在感を示している。「スーパー・ナチュラル(超自然)」という新カテゴリー名が使われるほどで、昨シーズン、一躍ヒット番組になったNBCネットワークの「ヒーローズ」に各社が追随した感が否めない。「ヒーローズ」は空を飛ぶことが出来る能力など、自らに隠された超能力を発見した人々がスーパーヒーローになっていく様を描いたドラマ。ちなみに、同番組で、コミック好きのオタク・サラリーマン役を演じる日本人俳優マシ・オカさんが一躍人気スターになっている。

新シーズンでは「ヒーローズ」の他に、死人を指先でさわるだけで蘇らせることが出来る不思議な能力をもった主人公が登場する「Pushing Daisies」(ABCネットワーク)、両親に魂を悪魔に売られた若者の葛藤を描く「Reaper」(CWネットワーク)など、スーパー・ナチュラル番組が目白押しだ。NBCでは「ヒーローズ」の他に、バイオニック・ウーマン(70年代人気番組のリメイク版)、現代と過去の間を往来できる能力をもった新聞記者が主人公の「ジャーニーマン」と2本の同カテゴリー番組を追加した。

こうした今シーズンの傾向を業界筋では、「視聴者の多くがイラク戦争や経済状況など、世の中の情勢に嫌気が差していて、テレビ番組に夢を求めているせいではないか」と受け止めているようだ。新シーズンは、Foxネットワークが9月17日から、NBC、ABC、CBSの3大ネットワークが24日から新番組を順次スタートさせる。