米TV新シーズン広告売上が二桁台増か


 CBSネットワークを傘下におくCBSコーポレーションの社長兼最高経営責任者 (CEO)、レスリー・ムンベス氏はこのほど、5月に迫った「アップフロント」交渉について、「昨年度比二桁台の売上拡大を得られるだろう」と強気の味方 を示した。フロリダ州マイアミで開催された金融企業クレディ・スイス主催のメディア会合で発言した。アップフロントでは、9月から始まる米テレビ界の新 シーズンの番組編成披露と、プライムタイム(午後8~11時)で放送される番組のCM前売り販売が行われるが、テレビ及び広告業界の健康状態を示すバロ メーターにもなっている。


昨年のアップフロント売上は、不況の影響で大打撃を受けたが、その後、シーズン直前や初頭に行われる「スキャター」交渉が大きく好転。「このようなスキャ ターは、見たことが無い」(ムンベス氏)ほどの好調ぶりを示したことで、今年のアップフロント交渉が有利に進められると見込んでいる模様。ちなみに、昨年 のスキャター交渉におけるCBSのCM単価はアップフロントのものを30%も上回る盛況だったという。ムンベス氏によれば、アップフロントの活況は、 CBSネットワークのみに留まらず、FoxやNBCなど他ネットワークにも及ぶという。


ムンベス氏は、アップフロントでの交渉が思惑通りに進まない場合は、昨年度同様、予約販売するCM枠を65%程度に押さえ、今年夏以降のスキャター交渉で巻き返しを図りたい考え。ちなみに、通常のアップフロントでは75~85%のCM枠が売買される。


広告代理店大手「インターパブリック」傘下の調査会社「マグナ」では、ネットワークテレビ向けの広告支出推定額を、2009年は前年比3.6%減となる 333億㌦(約3兆円)と見ているが、今年は昨年比6.2%増となる353億㌦(約3兆1770億円)、11年は前年比4.9%増となる370.5億㌦ (約3兆3345億円)に達すると予測している。