米TV脚本家スト打開に向け交渉再開


11月5日以来ストライキ入りしている全米脚本家協会(WGA)と全米映画テレビ制作者(AMPTP)はこのほど、11月26日に交渉を再開することで同意した。スト入り後、双方の間では批判の応酬が続いているが、交渉再開に向け、ストの余波を受けている映画会社関係者、タレント事務所、組合の代表者などが水面下で断続的に接触していたようだ。ストは少なくとも来年1月までは続くとの悲観的な見方が広がりつつある中に飛び込んできた朗報だが、業界関係者の間では、話し合いが再開されたとしても早期打開は難しいとする慎重な見方が少なくない。

WGA側は去る10月31日に期限切れとなった契約更改交渉の中で、テレビ放送された番組のインターネットや携帯電話配信、さらにはDVD販売された際などの報酬アップを要求していた。最終的には、インターネット配信による利益配当が最大の争点になった模様だ。

ネットワークではスト入り後、脚本が必要な深夜のトーク番組などを再放送や報道番組などに差し替えて凌いでいる。プライムライムで放送されているドラマなどの人気番組については今年いっぱいぐらいの分がスト入り前に制作されており、すでに納品されている。しかし、このままストが続けば、新年早々ネットワークのプライムタイム番組が枯渇する可能性が大だ。

一方、10日にスト入りしたブロードウェイは、17日に舞台設営係らでつくる組合と劇場側との間で話し合いの場がもたれたが、物別れに終わってしまった。劇場側は19日の週に予定されていたすべてのショーをキャンセルした。同週は22日の感謝祭を中心に一年で最も書き入れ時の週。昨年同週のチケット売上は2,330万㌦(約26億円)にも上った。