米アップフロント売上が初の二桁増へ


4大ネットワークUpfront推計売上高

ネットワーク

前年比

売上高

CBS

12.5

    30億㌦

Fox

11.5

227500万㌦

ABC

11.0

275000万㌦

NBC

10.0

182500万㌦

資料:Miller Tabak

来る5月中旬から始まる米テレビ界の重要イベント「アップフロント」の売上が、昨年比二桁増とな

100億㌦を超えるとの予測が出た。ニューヨークに本社を置く米調査会社「ミラー・タバック」のアナリスト、デイビッド・ジョイス氏が明らかにしたもので、地上波ネットワークテレビの広告売上高は昨年比14.7%となる1027200万㌦に達する見込みだ。ジョイス氏によれば、アップフロントでの取引高が前年比二桁増となるのは初めてのこと。アップフロントでは9月から始まる新シーズンのプライムタイム(午後8時~11時)番組編成の紹介と、その中で放送されるCMの予約販売が行われる。例年、CM枠全体の7割ほどが販売されるが、今年は79%に上るという。残りの枠は、市場の動向を見ながら番組放送開始直前あるいは放送開始後に取引されるのが通例だ。

 

ジョイス氏によれば、地上波ネットワークテレビの中で、最も活発な買い注文が入いりそうなのがCBSネットワーク。今シーズンから始まったアクション・ドラマ「ハワイ・オー・ファイブ」など新編成がすこぶる好調なことから、ネットワークも強気の姿勢で臨むことは間違いない情勢だ。同ネットワークのアップフロント売り上げは昨年比12.5%増となる30億㌦を記録するという。増加率では2位となるFoxネットワークは同11.5%増の227500万㌦。米テレビ界を代表するヒット番組「アメリカン・アイドル」のリフォームが成功したことや、ミュージカル・コメディー番組「グリー」人気が引き続き健在なことが評価される見通しだ。アメリカン・アイドルに迫る人気番組となったリアリティー番組「ダンシング・ウィズ・ザ・スター」がさらなら人気を博し、コメディー番組のヒット作となった「モダン・ファミリー」がすこぶる元気なABCの売上高は11%増275000万。相変わらずプライムタイム番組の不振が続くNBCの売上は10%増182500万㌦ほどになる模様。これら4大ネットワークのほか、ミニ・ネットワークと呼ばれるCWは同9%増39000万㌦の売上になりそうだ。

 

このほか、躍進を続けるスペイン語放送は11.6%増192500万㌦を売り上げる見込み。一方、ケーブル局のほうは、プライムタイム枠のCM62.5%が売れる見通しで、売上高は昨年比11.5%増、合計90億㌦に達するという。 <テレビ朝日アメリカ 北清>