米サッカーW杯中継が高視聴率スタート


 サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会第2日の12日、グループリーグC組の米国対イングランド戦が行われた。米国チームにとって初戦。その模様はウォルト・ディズニー傘下のABCネットワークが午後2時(米東部時間)から全国向けに独占放送した。圧倒的な人気が集まるアメリカン・フットボールの影で、普段はネットワークテレビでは放送されないサッカー試合だが、ニールセン社の速報によれば、同試合の模様は平均視聴者数1450万人を獲得し、1994年以来の最高記録となった。初戦としてはこれまでの最高視聴率だ。視聴者数は英語で放送したABCネットワークと、スペイン語で放送したユニビジョンを合わせたもの。ABCの視聴者数は1100万人を越えた模様だ。ニールセンでスポーツ部門を担当するスティーブ・マスター副社長は初戦の結果を受けて、「米国におけるサッカー熱が本格化したと見ていいだろう」と解説している。試合のほうは、米国が強豪イングランドと1-1で引き分け、大健闘した。

また、W杯開幕後5試合の平均視聴者数は英語放送が810万人、スペイン語放送が450万人を記録。米プロバスケットボール協会(NBA)主催の王座決定戦(ファイナル)の4試合平均視聴者数1640万人に迫る勢いで、「米国におけるサッカーへの興味が一段と増している」(米経済紙ウォールストリート・ジャーナル)ことを示す結果となった。メディアサイト「メディア・ライフ」は特集記事の中で、「サッカーといえば、米国ではメジャーなスポーツ・イベントになる可能性はほとんどないとされてきた。しかし、今大会の出足を見る限り、そうした考え方を改めなければならないかもしれない」と分析している。


W杯にはナイキやコカ・コーラなどがスポンサーになっているが、他広告主にとっても、新たな視聴者に接触できる魅力あるイベントとして注目を集めることになりそうだ。ちなみに、米国のサッカー中継試合で、これまで最高視聴者数を獲得したのは1999年の女子サッカーW杯、米国と中国との間で争われた決勝戦のときで、視聴者数は1800万人に達した。