米テレビ広告費、2010年は4-6%増へ


米テレビ広告局(TVB)はこのほど、2010年のテレビCM収入が2009年比3.6%~6.1%のプラス成長に転換するとの見通しを発表した。ローカル市場向けCM収入の上昇幅は1~3%なのに対し、全国向けCMは6~12%で推移する見込みで、ローカル市場の回復が遅れる模様だ。いずれにしても、不況で大打撃を受けているテレビ界にとって久方ぶりの朗報となったが、TVBでは、特に自動車業界の復活ぶりと、中間選挙の成り行きにかかっているとしている。


しかし、自動車業界が復調するかどうかは異論のあるところ。業界誌「メディアウィーク」は、2002年当時、テレビ広告の30%を占めていた自動車広告が、2008年には27.7%、さらに2009年には19.3%に下降線を辿っている点を挙げ、同広告費の先行きは不透明だとしている。ニールセン社の報告によれば、2009年上半期における自動車メーカーの広告支出は、前年同期比31.4%の減少を示したことが大きく響き、同期の総広告費は前年比15%の減少となった。


中間選挙については、「期待はずれはないはず」としている。


また、米調査会社「ボレル・アソシエーツ」によれば、2010年のテレビ局のホームページ上の広告収入は2009年比18%増の13億㌦になる見込み。携帯電話向けなど、モバイル配信にともなう広告収入は50%の増加が見込まれるという。


一方、新聞業界は相変わらず明るい材料が見当たらない。米金融大手ウェルズ・ファーゴでは、同業界動向の指標として位置づけられているガネット社の2009年第3四半期の広告売上を前年同期比25.5%減から28.8%に下方修正した。第4四半期も見通しは暗く、その傾向は2010年にも持ち込まれると見ている。