米テレビ番組にバーコード付きCM登場


若者に人気の米ケーブル局「Bravo(ブラボー)」がバーコードを挿入したCM放送を始め話題を呼んでいる。バーコード付きのCMを提供しているのはインターネット専門ファッション販売を手がける「Bluefly」。スマートフォン(高機能携帯電話)を所有する視聴者が画面下段に表示されるバーコード(写真)をスキャンすると、CMに登場する俳優が紹介する衣服などのさらなる情報を入手することが出来る。具体的にはBlueflyが制作した「仮装ギャラリー」を携帯電話の画面で隅々まで見ることが出来る。仮装ギャラリーは5分間程度。購買を決めたユーザーには大幅な割引などの特典が与えられるという。


Blueflyでマーケティングを担当するブラッドフォード・マトソン氏はニューヨーク・タイムズ紙に、「バーコード付きのCMを挿入することで通常の番組より多い視聴者を引き付けることが出来ると確信している。しかも、視聴者の数や層などの情報を掴むことができ、スポンサー・テレビ局双方にとって有益なCM方法だ。まだ新しい試みだが同CM方法を採用する番組は短期間のうちに倍増するだろう」と述べている。カリフォルニア州サンタ・モニカに本社を置くウェブ・デザイン会社の幹部、フィリップ・ウォーバシー氏は、向こう1,2年以内にバーコード付きのCM採用が主流になると予測している。


商品情報などにアクセスできるバーコードは、これまで雑誌やポスターなどで採用されている。天気専門局「Weather Channel」や有料チャンネル「HBO」が試験的に導入したケースはあるが、テレビで本格的に採用されるは米国では初めてのケースだという。米モバイル・マーケティング協会の専務理事、マイケル・ベッカー氏は、「バーコードをテレビ番組に導入する方法は、すでにアジアやヨーロッパで先行している。米国で普及が遅れているのは、バーコードの標準化が遅れているためだ」と説明する。


バーコードの読み取りにはスマートフォンが必須だが、ニールセンによれば現在、米国でスマートフォン所有者は全体の約25%に留まっている。しかし同社によれば、2011年末までには国内で販売される携帯電話のほとんどがスマートフォンになる見込みだ。