米テレビ編成で脚光浴びる和製番組


9月から始まる新シーズンを控え米テレビ界は目下、夏休み編成中。夏期は再放送番組で凌ぐのが慣例だったが、近年はテレビ離れを防ごうと新番組を編成するネットワークが増えている。ただ、低額予算で制作が可能なリアリティー番組編成が主流で、今やすっかり人気が定着したCBSの「サバイバー」などがその代表格だ。

そんなリアリティー番組戦線に今年はちょっとした異変が起きている。ABCネットワークが日本の人気番組に注目、アイディアを取り入れて米国風に仕立て直した番組を複数編成しているからだ。同社の番組関係者はニューヨーク・タイムズ紙に、「日本人は、悪意はないが、人が困惑する様子や、恥をかかせられる様を楽しむ傾向がある。そして自分の失敗を笑い飛ばすのが好きで、そんな要素を番組にうまく取り入れている」と述べ、日本番組の魅力を語っている。

ABCが6月24日にスタートさせた「Wipeout(ワイプアウト)」(米東部時間午後8時)は、奇想天外な障害物をくぐりぬけゴールインする競争ゲームだが、初回の視聴率は、広告主が重要視する18~49歳層で3.6%(シェア12%)、視聴者数980万人と大健闘。同時間枠内で他局を押さえ堂々トップのスタートとなった。同局が夏期に編成した番組としては2001年6月に放送され大ヒット番組となったゲーム番組「Who Wants to Be a Millionaire(百万長者になりたいのは誰?)」以来の好成績となった。

ABCではまた、チャレンジャーを日本に送り込み番組を収録した「I survived a Japanese Game Show」を同夜9時からつづけて放送。こちらも視聴率(同層)3.1%(シェア9%)と同枠2位につけ健闘した。このほか、日本のTBSテレビで放送されているスポーツエンタテイメント番組「SASUKE(サスケ)」が米ケーブル局G4でレギュラー番組として一定の人気を博すなど、日本製や日本風の番組が存在感を増している。