米テレビ視聴、五輪効果で好調


米国のテレビ視聴は、毎年夏シーズン中、低迷するのが常だが、今夏は五輪効果のおかげで好調に推移した。米視聴率調査会社ニールセンによると、北京五輪の独占放送をしたNBCの今夏シーズン(5月26~8月24日)の視聴率が昨年同期比63%増となる見込みで、過去3年にわたりトップの座についていたFoxネットワークを追い抜き首位の栄冠を獲得することになった。大成功となった五輪放送を背景にしたNBCの躍進ぶりは誰もが納得できるものだが、他ネットワークも一様に好成績を収めた。五輪放送のおかげでテレビ視聴者総数が増大し他局にも恩恵を与えたかたちだ。五輪開催期間はシーズン後半3週間ほどと、シーズン全体に占める割合が小さいことを考えれば、オリンピックのインパクトがいかに大きかったかが伺える。

ニールセンによれば、NBCをはじめとする地上波4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)を合わせたプライムタイム(米東部時間午後8~11時)平均視聴率は、広告主が最重要視する18~49歳視聴者層で、昨年同期比10%増となる8.5%を獲得。平均世帯視聴者数も昨年同期比17%増となる2,380万人と大健闘した。

一方、ケーブル局(ベーシック・チャンネル)のほうは、地上波テレビに視聴者を奪われるかたちで、五輪放送があった8月第2週の視聴率は昨年同期比15%の落ち込みを見せた。ただ、シーズン通しでみると18~49歳層の平均視聴者数(プライムタイム)は過去最高となる2,176万人。世帯視聴者数は昨年同期比1%増となる5,096万人とこれも過去最高記録を樹立し、ネットワークテレビを凌駕した。いずれにしても、米テレビ界にとって今年はホットな夏となった。