米テレビ視聴時間が過去最高


今年5月で終了した米テレビ“2008-09年シーズン”のテレビ視聴が過去最高を記録したことがこのほど明らかになった。米調査会社ニールセンによると、同シーズン中における米生活者の一日あたりの平均テレビ視聴時間は4時間49分。前年度比4分増となったほか、10年前に比べ、20%増加したことが分かった。


また、世帯あたりの平均視聴時間も8時間21分と、過去最高のものとなった。
テレビ局の生命線、プライムタイム(午後8-11時)の視聴時間も、一人当たり平均1時間12分と、前年度比横ばいながらも、1991年以来の最高記録を維持した。
インターネットの普及などでテレビ離れがささやかれるなか、テレビ局にとって勇気付けられる報告となった。ニールセンは、テレビ視聴時間の拡大の背景について、「一世帯あたりのテレビ受像機台数が増えている」「多チャンネル化が進み、視聴者がひいきのチャンネルを選びやすくなった」などと分析しているが、特に、HDD内臓のデジタル録画機(DVR:デジタル・ビデオ・レコーダー)の利用が急増していることに注目している。


ニールセンはこうした傾向を踏まえ、通常の視聴率調査に加え、DVR視聴を加えた調査結果を公表するようになっているが、番組の中にはDVR視聴者数が放送時の視聴者数を上回るものもあることが判明した。今年でシリーズ2年目を迎えるFoxネットワークのサイファイ・ドラマ「ドールハウス」は視聴率不振に陥っているが、広告主が重要視する視聴者層(18-49歳)の視聴率が放送時には0.9%だったものが、放送後7日以内にDVRを利用して視聴者を加えると1.4%と、55.6%も上昇することが分かった。

その他、ABCネットワークの人気医療番組「グレイズ・アナトミー:恋の解剖学(邦題)」など、プライムタイムの人気番組の視聴率がDVR視聴を加味すると20%ほど上昇することも分かっており、DVR視聴の人気ぶりがうかがえる。