米テレビ視聴時間は増加傾向


米国勢調査局は5月29日、「アナログからデジタル・テレビへの転換」と題する特別報告書を発表した。同報告書は、デジタル化を控えた米国内のテレビ視聴の近況をまとめたもの。デジタル化移行については、「公共の電波をより効率的に使うことを可能にし、放送事業者から返還されるアナログ波を使った次世代のワイヤレス(無線)通信の構築で市民の安全を確保することが出来る」としている。

同報告書よると、2006年の米国のテレビ世帯数は1億1000万軒。1980年の7600万軒から約45%増加している。また、今年の米市民(12歳以上)のテレビ視聴時間は1740時間(1日当たり4.7時間)に上ると予測。2000年当時の1502時間(1日当たり4.1時間)から増えていて、米市民のテレビ離れがささやかれるなか、かえって視聴時間が増えていることが明らかになったとしている。

また、一世帯あたりのテレビ保有台数は、1980年には1.7台だったものが、2005年には2.6台と増えていることが分かった。一方、アナログ受像機の売上高は2003年には58億㌦(約6090億円)だったが、昨年は2億73000万㌦(約287億円)と急減している。その反面、デジタル対応受像機の売上高は2003年の87億㌦(約9135億円)から昨年は263億㌦(約2兆7615億円)と急増していることが判明し、生活者の間で「デジタル放送を受け入れる傾向」が鮮明になっているとしている。ところで、地上波テレビの完全デジタル化(2009年2月17日)を8ヶ月後に控えた現在、全米の1,600のテレビ局がすでにデジタル放送を開始していると報告している。