米ディズニー社、10~12月期純利益は横ばい


米5大メディア企業が09年10~12月期の決算を次々と発表している(先週号既 報)。ウォルト・ディズニーが2月9日発表した同期の売上高は、前年同期比1%増となる約97億4000万円。純利益は横ばいの8億4400万㌦だったも のの、相変わらず好調なケーブル局の健闘と、会社一律のコスト削減策が功を奏して、市場予想を上回るものとなった。ネットワークテレビやケーブル局からな る放送部門、さらには映画部門などの事業が増益となった半面、テーマパークなどが横ばい、ビデオゲームなどの事業は赤字だった。


先に発表があったタイム・ワーナー、ニューズ・コーポレーションに並び、5大メディア企業のうち3社がそろって市場予測を上回る業績となったが、いずれもケーブル局の好調さが企業全体に寄与していることが特筆される。

  
好調だった放送部門を見ると、売上高は、前年同期比7%増となる42億㌦を記録。米メディア投資銀行「Piper Jaffray」アナリスト、ジェイムズ・マーシュ氏は、「放送部門の回復振りに注目したい。広告(CM)売上の増収が大きく貢献している」と解説してい る。放送部門の内訳を見ると、スポーツ専門局ESPNの送信料評価が増額したことやディズニー・チャンネルの契約世帯数が海外で増加したことなどから、前 年同期比8%増となる26億5000万㌦を獲得、グループ全体に大きく貢献した。営業利益は、同5%増となる5億4400万㌦を記録した。ネットワークテ レビ部門は、国際市場における番組ライセンス料の増収なども手伝い、前年同期比5%増、15億2000万㌦となった。


テーマパーク・リゾート部門は不況で客足が減ったことなどが影響し、売上高はほぼ横ばいとなる27億㌦。映画部門は、「Up」が大健闘したほか、映画「あ なたは私の婿になる」(The Proposal)のDVD版の販売が好調だったこと、さらには部門全体のコスト削減策が貢献した。売上高はほぼ横ばいの18億㌦に留まったものの、営業 利益は前年同期比一挙に40%増となる2億4300万㌦を記録した。