米ニュース局、選挙後の課題は若者確保

米国は11月4日の大統領選挙まで秒読み段階に差し掛かっているが、記録的な視聴率上昇に沸くニュース専門局の経営陣が早くも選挙後を見据え視聴者確保の戦略を練っている。特に広告主がターゲットとしている若者視聴者層(18~49歳代)が急増していること受け、同視聴者層確保に重点を置いている。CNNが急遽、土曜夜のトーク番組の司会者に人気黒人コメディアン、D.L.ヒューリー氏を起用すればMSNBCではプライムタイム番組の司会者にレイチャル・マドウ氏(35歳)を抜擢するといった具合だ。

今年の選挙は、民主党が史上初となる黒人候補、オバマ上院議員を擁立したり、共和党が女性候補、ペイリン・アラスカ知事を指名した結果、オバマ現象やペイリン旋風が吹きまくり、若者有権者の関心が一段と高まり、Foxニュース・チャンネル(FNC)、CNN,MSNBCからなる3大ニュース専門局に高視聴率をもたらしている。18~49歳層の視聴者数は、CNNが前回2004年比88%増(プライムタイム)となる38万9千人、MSNBCが158%増の29万1千人と、それぞれが大躍進している。

保守的な報道で知られるFNCの同層の視聴者数は39万2千人と、逆に2004年に比べ7%減少しているが、世帯視聴者数は順調な伸びを示している。FNCのプライムタイム(米東部時間20:00-23:00時)における3月以降の平均視聴者数は206万人、前回の大統領選挙があった2004年に比べ21%上昇し、同層視聴者数トップは維持した。CNNの世帯視聴者数も127万人と前回の892人比べ、こちらは42%も上昇している。最も上昇率の高かったMSNBCの視聴者数は864万人と、4年前の392人に比べなんと120%も増えたことが明らかになっている。