米ネットフリックス、LGテレビで動画配信


DVD宅配レンタル大手の米ネットフリックスが、韓国のLG電子と提携し、テレビ向けの動画配信サービスを始める。米ラスベガスで8日から開催された世界最大の家電見本市で発表した。LGが製造・発売するプラズマテレビと液晶テレビの特別仕様モデルにはインターネット接続機能が内蔵され、セット・トップ・ボックスなど外付け装置なしで、ネット経由で配信される映画やテレビ番組などを取り込むことが出来る。利用者はネットフリックスの会員になることが必要。ブロードバンド環境も必須となる。

LGのインターネット対応型薄型テレビは「ブロードバンドHDTV」と呼ばれる予定。ネットフリックスのライブラリー「Watch Instantly」に蓄積されている映画やテレビ番組、合計12,000タイトルに自由にアクセスが出来る。ただ、LGでは同モデルをパソコンの代替器としても使える機能を追加する方針はなく、通常のインターネット利用が出来ないよう制限する専門チップが埋め込まれる。LGに追随する形で、韓国のサムスン電子、日本のパナソニックなどが同様なモデルを開発中だ。ソニーは外付け装置を接続すればインターネット上の画像を画面に取り込めるテレビを発売しているが、内蔵型モデルの製造を検討しているという。

今回の発表を受け、「通信と放送の融合が言われて久しいが、テレビとインターネットのゴールインがついに現実のものとなりそうだ」(ウォールストリート・ジャーナル紙)と期待する声が上がっている。課題は、同様モデルのテレビの普及速度。米国では一度テレビを購入すると10年は買い換えないと言われており、ネットフリックスの最高経営責任者リード・ヘイスティングス氏も、「本格的な普及には相当な時間がかかる」と述べている。「ブロードバンドHDTV」モデルの小売価格は通常モデルより300㌦(約27,000円)割高になる予定。